「コミュニケーションを楽しく試すワークショップ」(以下WS)は7年目を迎えました。今年度も6月よりスタートしました。コミュニケーションを楽しく学びたい方、興味のある方ならどなたでもご参加いただけます。ワークショップ 申込み等はこちら。
コミュニケーションがストレス?
働く上でコミュニケーションに生き辛さを感じる人等へ自己肯定感を高めて頂くために毎月WSを開催、今まで延べ450人超の参加者のアンケート結果から、約6割が精神や発達障がいの診断を受け、その大半がサラリーマンや学生の方々です。参加者の中にはWSをきっかけに復職しました、職場でのコミュニケーションが楽になった等の声もいただいています。
一方社会に目を移すと、実際に精神疾患を理由としたメンタルヘルス不調により連続1カ月以上休業した労働者がいる事業所の割合も平均で約1割と高止まり傾向にあります。そのストレス原因の多くは人間関係にあると言われます。
『みんな当事者なんですね』
WSに参加されたある管理者の方がアンケートに『最初は、あまり話が得意でない部下のためにと思い来ましたが、コミュニケーションではみんなが当事者なんだと気づきました』と書かれていました。
コミュニケーションが得意って何ですか?とお聞きすると、大半の方が「会話がスムーズに楽しく出来る事」「たくさん友だちをつくれること」等の答えが返ってきます。しかし実際には、口下手な人もいれば、逆にしゃべりすぎて失敗してしまう人もいます‥それは優劣ではなくその人らしさ・個性です。
実はコミュニケーションの語源はラテン語の「コミュナス」。その意味は「違いを共有すること」と言われています。
働く現場が、いろいろな意味で多様性が高まる中、捉え方や価値観の違う人同士のコミュニケーションは「なぜ分かり合えないのだろう・・・」と感じてしまう、とてもストレスが生じやすい場面が多いのではないでしょうか。
すぐには、こころから分かり合えない
詩人の金子みすゞさんは「みんな違ってみんないい」と歌っていますが、その反面身近な人と分かり合えず「みんな違って大変だ」という現実もあったようです。
分かり合えるから始めるコミュニケーションは、自分とは違う人、分かり合う可能性の無い人をあらかじめ排除し、分かり合えそうな人とだけ関わればよいという危うさも秘めていると思います。
人はなかなか分かり合うことって難しい。でも、お互いに工夫をしながら何とかして共有できる部分をすり合わせ見つけられた時のうれしさ、感じる豊かさ、それがコミュニケーションの本質だと考えます。
今後もWSを継続しながら、地域のいろいろな職場のみなさんにもコミュニケーションについてお伝えする機会を増やしていき、みんなが安心して楽しくコミュニケーションができる職場を地域に広げていくお手伝いが少しでも出来ればと思っています。
理事長 坂口伊久磨
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